2011年5月24日火曜日

畑ができるまで6

2009年、畑にするために荒れ地(耕作放てき地)を開墾。冬の枯れ草を刈り、春の雑草を刈り、竹や低木を切り倒し、根を掘り上げ、刈った草を燃やし、堆肥を撒き、そしてトラクターあら起こし、完成まであと少しまできた。いよいよ畑仕事まで間近、あとは大型耕運機でならせば画竜点睛、と心躍らせていたところで、お願いした組合のフミトシさんに、「機械に絡まるから」と告げられた。地中に残った長い根を取り除かなければならなくなったのだ。そうやすやすと物事は運ばない。完成には、「産みの苦しみ」という言葉があるが、得てして最後の詰めが一番大変だったりすることは拙い人生経験からなんとなく想像できた。そして、手鍬一本で掘り探り、忌々しい葛や竹の根を取り除く地道な作業に勤しむこと3週間―。


今思えば、この根を取り除くという単調で地道な作業が一番大変だったように感じる。人は年を重ねて行くと時間の経過が早く感じられるものだけど、この3週間という時間の進み方はどこまでもどこまでも長く感じた。そう思うと、地道なことを積み上げていく中に何か大切なものがあるのではないかと気付かされる。そうして基礎が(畑)が出来上がっていくのだから。


フミトシさんに再びお願いし、デカイ耕運機をかけてもらった。1時間ほどで終わった。1時間があっという間に感じた。根っことりの時は砂漠の荒野に見えたこの地も見渡せば光り輝く大地に見えた。2009年5月25日だった。これからだよ、これから。








見る見るうちにならされていく。でこぼこの荒れ地が平準化されてきれいになったとは人間の見かた。これから畑仕事がスタートする喜びの反面、今までそこにあった、虫や微生物、小動物の営みを破壊した上にあることは、心に留めておくべきだ。

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