毎週土曜日午前10時半から、その日の朝収穫したばかりの野菜を軽トラックに乗せ、販売しているのです。
いらしてくれるみなさん、みな野菜が大好きな健康的で気さくで、明るい方ばかりで、野菜を「おいしいおいしい」と言ってくれて喜ばれています。
うれしい!農家冥利につきるというものであります。
そのサンヴェールで4月16日からチャリティー野菜販売をスタートさせました。
チャリティー用のコーナーを設け一年間実施し、その売上全額を寄付するものです。
今回の東北の被災地に向けてのものですが、目的は子どもたちの支援です。
以前から親を亡くした子どもたちや海外で満足な医療も受けられない子どもたち、そして21世紀の現在でさえ人身売買される子どもたちがいる、その救済に関心を持っていました。
でも、なにもしてやれなかった。
せいぜいフェアトレードの商品を購入するぐらいで、何もできなかった。
しなかったと言っていい。
◇
あの3月11日以前、以後でまったく世界観や価値観が変わってしまった人も多いと思う。それによる意識の芽生えもある。
連日メディアで映し出された、鬼も涙するようなあの惨状に声を上げない人はいないでしょう。私にとって何よりも心打たれたのは、・日刊スポーツ(3月30日)の写真でした。
―全校108人生存確認わずか34人…級友はみな沈んだ~「生きていたんだ」再会 抱擁―
という見出しの写真2枚。
石巻市大川小・中の児童生徒たちの泥にまみれて汚れたランドセルや学習道具が北上川岸壁に集められた写真だった。
集められたランドセルやカバンが私には、それがみな死んだ子どもが並べられているように見えてしまった。そして左の写真は対照的に生存した子どもの抱擁する姿…
泥だらけのランドセルが一斉に並べられる様子はあまりにもシュールすぎる。
津波の映像やどんな戦慄の写真や映像より、自分にとってそれは度を超えた写真だった。
あまりに悲しくて、死にたくなるくらい自分がどうにかなりそうでしでたが、その子どもたちが抱擁する写真の真下に、なぜかコンドームの広告を見つけたとき、我に返りました。というか、冷静になれた。
悲しい報道ばかりじゃない。避難所のスナップショットを集めた写真もあり、子どもの笑顔が見られると、ほっとする。それは野菜をおいしい、と言ってくれる人たちの笑顔と同じなんです。
とにかく、あの写真が「やろう」というきっかけになった。
チャリティーはそういう切っ掛けでした。
未来ある子どもたち大勢が亡くなった。そして親を亡くした子も多い。この先増えて行くでしょう。
そういう子たちが、経済的なことで、進学できなかったり、夢を叶えられないということがあっていいものだろうか。そんな馬鹿な話はない。
子どもたちにはたくさん本を読んでもらいたいし、夢を叶えてもらいたい。
馬鹿は私だけで十分。
私にとってこの写真はショックの度を超えたものだった。中央の写真は孫のランドセルを発見して悲嘆にくれる祖父。
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