昨年の暮れから伊豆山にあるマンション「サンヴェール」で野菜の青空販売を始めた。私は週に3日ほど伊豆山の谷口ファームに農作業の手伝いに行っていますが、そこで知り合った松田さんの働きかけで行えたものです。その松田さんは同ファームをリタイヤ後、家庭菜園でできた野菜を「サンヴェール」の方々に向けて販売し始めたが、ひとりではニーズに応えられないとのことで私にも声がかかった、という経緯です。
私の畑にはちょうどスワン(かぶ)や大根などがたくさんあり、品質の良い立春までに売りさばきたかったので助かりました。大根やかぶは、およそ立春(2月4日)を過ぎると種子を作る準備をするため、花を咲かせようとするトウ立ちという現象が起きます。すると、食する部分の栄養分、水分を上部に吸い上げるため質が悪くなる。それまでになんとかさばきたかった。いや、それよりも正直新しい市場を開拓してくれたということが大きいのでとても感謝しています。縁、そして感謝の気持ち、これが大切なことと改めて感じます。青空販売までたどり着くには、この縁(松田さんとの出会い)がなければできなかったわけですから。
誰でも数えきれないほどの選択肢の中から、たったひとつの選択肢の道を生き(行き)そしてその道すがら人と出会うたび、何事にも触れるたび(例えばそのリンゴ食べる食べないとか)、様々な選択肢が出現し選択して、それを数えきれないほど繰り返しながら生きている。そのたった一つ選んだ道を辿ったところに、いま立っているわけです。振り返って、その選択肢の数は何千、何万通りになっている、生い茂る枝葉のように。つまり、あのときもうひとつの別の選択をしていたら、確実に現在の位置にはいないはずです。だからこそ、ひとつひとつの出会いには意味がある。そう思います。その出会いを活かすも消すも、自分次第というわけです。そしてこうしていま、生きていられる、サンヴェールでの青空販売ができて、稼ぐことができ生活をするということは、私は出会った人たちに生かさせているわけです。そう思えてしかたありません。
自分もまた人と出会うことで、その人それぞれがが持つ時間と接触する。それが一刻一刻様々な出会いや事象の遭遇につながりその人の未来が変化していく現実、それが互いに運命を司っているその中で現在がある。新聞の社会面の記事を読むと、思いもしない事故(交通事故や事件)で死亡した人のことが少なくないことを見れば常にみなギリギリで生きているということがわかる。だからといって硬直して毎日を送るわけではないけど、でもこうしたことを思えば出会いと今日を大切に生きなければと思います。そこには感謝する気持ちを持つことで人として成長できると思うのです。出会った人、野菜たち、昆虫、動物に感謝し、前向きに現実を受け入れ毎日を大切に生きたい、それを忘れないよう今年も日々を過ごしたいと思います。
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