キャベツ、大げさに反応
― 害虫に少しでも食べられると…
天敵呼ぶ物質大量放出 ―
京都大学の高林純示教授らの研究チームは18日、キャベツが特定の害虫に少しでも食べられると、その天敵を呼び寄せる化学物質を大量に出すことを見つけたと発表した。一般には被害が大きいほど放出量が増すと思われているが、実際は被害の大小にかかわらず大げさにまき散らすことがわかった。農作物の害虫駆除などに応用できる。
一般に植物は害虫に食べられるとその天敵となるハチなどを呼び寄せる化学物質を放出する。害虫の出す唾液などの影響で害虫の種類によって物質は変わる。これまではキャベツも被害が大きいほど放出量が増えると思われていた。
研究チームは蛾の一種「コナガ」の幼虫に食べられたキャベツが幼虫の天敵となる「コナガマユバチ」を呼ぶ場合を調べた。葉からでる4種類の化学物質が蜂を誘っており、食べられた面積の大小によらず一定量が放出されていた。多くの天敵を確実に呼び寄せるためとみられる。
高林教授は「オオカミ少年のように大げさにシグナルを出して天敵を呼ぶ例は植物ではこれまでなかった。これにだまされないようにハチがどのように対応するのかも調べたい」と話す。
害虫の天敵を自在に誘導できれば農業の効率化に役立つ。今後は実験で害虫駆除への有効性なども調べる。
―2010年(平成22年)8月18日 日本経済新聞
チコリとの混植。コンパニオンではなく、ただスペースがあるので。
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