ニイニイゼミです。
虫とりをしていた子どもの頃は、ニイニイと呼んで親しまれたセミです。
この季節、ニイニイゼミの声が聞こえると、わくわくした記憶が甦ります。
なぜか。それは夏休みが近づいているからです。
小学生のころは誰に違わず夏休みが待ち遠しい。
ニイニイゼミは夏、蝉の中でも一番最初に鳴くせみで、このセミが鳴きだすと「ああ、もうすぐ夏休みだ!」と感じてわくわくしたものです。
ニイニイゼミの鳴き声が夏休みがくることを予感させるまさに、季節感の代名詞。
目を閉じてこのセミの声に耳を傾けると、今でも子どものころに抱いた待ち遠しい期待感(夏は開放的で常に何かを予感させる季節)を思い出します。
夏休みの40日は大人にとってはあっと言う間ですが、子どもにとってはとても長い。
8月1カ月を夏休み本番とするなら、7月はオマケみたいなもので、このおまけの7月に
めいっぱい鳴くのがニイニイゼミ。
長い夏休みのオマケの7月は宿題などせずに
めいっぱい遊ぶ。
「まだ、8月まるまるのこってるもん」などと余裕たっぷりでした。
8月に入り、お盆が近づくとしだいにフェードアウトして、いつのまにかニイニイゼミはどこへやら。
「さあ宿題やるぞ!」と意気込んでいるものの、誰に違わず子どもは誘惑に弱い。特に自分は。
「まだ、大丈夫。高校野球始まったばっかりだし」などと、宿題を後回しにします。
やがて、
ツクツクホウシの声が聞こえると、夏休みの終りを予感させる。
高校野球が終り、日テレの24時間テレビが放送されると、もう夏休みはあとわずか。
めいっぱい残った。宿題を前に途方にくれる…という夏休みを毎年繰り返していました。
頭の良い子どもは、さっさと宿題を片付けてしまいますが、私はそうではありません。
今年こそは、さっさと宿題を終わらせて、遊ぶぞ!と意気込みますが、私は毎年ツクツクホウシの声で慌てるまったく学習能力のない子どもでした。
そして思うのです。ずっとニイニイゼミが鳴いてくれていたらなぁ、と。
こんな顔をしています。
地上に出てからの寿命は約7日。こいつは地面を這っていたのでそろそろ寿命を迎えたセミです。
夜中、ライトの近くで鳴く元気な夜行性?のやつもいます。