2011年1月31日月曜日

サトイモ

 サトイモの収量は上がらなかった。昨年の猛暑が影響したようだ。

サトイモは十分な陽ざしが確保できればほったらかしでよく育ちます。

ただし、乾燥に弱いので、夏まで2回ほど土寄せする。晩秋に収穫(霜が降りる前)。

脇芽は摘む。腐蝕物を好むので、5月の植えつけ時に残渣や落ち葉、堆肥を漉きこんでおく。夏の雑草も生やしておく(生育状況を見ながら、影響あればとる)。

 昨年は猛暑で、約1カ月雨なしのときがあった。それが収穫量に影響したか。

また、9月以降、ほとんど陽ざしが当らない場所であったこともマイナスだった。

栽培は陽が当って適度な水分が保てれば手間がかからない。

あとは動物に掘られないようにすること。

 煮もの、汁もの、冬の料理に欠かせない名脇役?。主役?でもサトイモは栄養価のある優秀な野菜である。


 栽培は簡単。乾燥に弱い。冬の季節にあったまる豚汁にはあってほしい野菜だ。

サトイモの煮もの

ムチンとガラクタンのすごいパワー

サトイモを使った定番おかずです。独特のぬめりはムチンとガラクタンと呼ばれる物質で、様々な健康効果があります。

 

 ムチンは体内でグルクロン酸を作って胃腸の潰瘍を予防し、肝臓や腎臓を強化。細胞を活性化して老化を防止する作用、消化を促進して便秘を改善する作用、たんぱく質の消化吸収を盛んにしてスタミナを増強する効果もあります。

 一方、ガラクタンは、脳細胞を刺激して老化やボケを防止するだけでなく、免疫力を強化してがんの予防に働くとされています。

 また、カリウムを多く含んでおり、塩分摂取による血圧上昇を抑制して、筋肉の収縮も円滑にします。腎臓老廃物の排泄を促進する点も見逃せません。

 タウリンが豊富なイカやタコといっしょに食すと、ムチンとの相乗効果で肝臓の働きがより一層高まります。ムチンのたんぱく質吸収効果を活用して疲労回復するためには肉類、魚介類などと組み合わせるとよいでしょう。したがって、焼き肉、焼き魚、煮魚、イカやタコの酢の物、アサリの酒蒸し、貝類の煮ものなどと相性がピッタリです。

<190㌔カロリー、塩分1.7㌘>

―「おかずもう一品はこれにしよ」  2011125日 東京スポーツ から。



2011年1月29日土曜日

ニンジン

旬の野菜

 栽培法が進歩して、季節を問わず一年中どの野菜も食べることができる。

夏野菜の茄子やピーマン、トマトを冬に、大根や蕪らの冬野菜も真夏にその味を味わえる。

しかし、その野菜にとってそれぞれ「旬」があります。

そして、旬の野菜を食べることにはちゃんと意味がある

 春に苦みのある ふきのとうやタラの芽 などの山菜をたべるのは、冬モードの体を目覚めさせるため。

夏に水分の多いトマトやキュウリ、ナスを食べるのは体を冷やすため(秋なすを嫁に食わすな とは姑が嫁に対して体を冷やさないようにと気遣うことをさす養生訓)。

秋に栄養価の高いカボチャやイモ類を食べるのは栄養を蓄積するため。

冬に大根を食べるのは消化がよく内蔵に負担をかけないため、など。

旬の野菜を旬の時期に食べることで、自然に体は整えられるものなのです。

 

 ニンジンも一年中食べることができますが、旬は秋~冬です(立春2月4日ころまで)。

黒田5寸を作っていましたが、一昨年からベータリッチ(サカタ)を使っています。

この品種がニンジン特有の甘みに優れていると思うので使っています。

例年梅雨時に蒔き、秋から冬にかけて収穫していますが、昨年は適時期に蒔くことができなかったので、秋雨前線のある8月下旬に蒔きましたが、記録的な猛暑と雨なしで20%ほどしか発芽しませんでした。

セリ科植物は特に発芽には水分を多く必要とするので、水道施設のないこの畑では梅雨時に蒔くのです。

 例年は植えっぱなしにしていますが、後作にエンドウを植えるため、収穫して土の中で保存しています。

こうすることで水分の蒸発を防ぐのです。

サトイモなどもこうして保存します。

菜園を始めたころは分からず外で保存していたら、水分がとんでスカスカになってしまった経験がありました。

βカロテン豊富で栄養価は高い野菜です。



土の中で保存することで水分の蒸発をふせぐ。もちろん雨除けは必要。

2011年1月26日水曜日

紅芯大根

紅芯大根

 大根の刺身を紹介しましたが(1月22日付)、中国野菜の紅芯大根も生食でとてもおいしい。

辛みはほとんどなく、甘みがあってサラダや酢漬けに最適。

加熱すると色が落ちるので、この大根の持ち味を最大限に生かすなら、やっぱり生食。刺身(サラダ)で味わうのがよいと思います。また、赤色が美しいおろし大根でもおいしい。

栄養価は、食物繊維やビタミンDが多いそうです。

栽培は難しくないが、大根の中でも特に割れやすいのが難点です。

丸いので、化学肥料を使わないこの畑では耕さなくても大丈夫な野菜です。

基本大根の肥料は少なめ。未熟な肥料や多肥料だと、根又や曲がり、割れる原因となります。



割ると桃色にもとれる赤色。化学肥料を使わないのでどの野菜も画一的にならず、出来栄えはバラバラ。全部真っ赤なものもある。

薄くスライスして刺身に。甘い大根。

ベビーリーフとスワンかぶ、紅芯大根のサラダ。


現地訪問

 畑の野菜を使っていただいているレストランにスイス料理のレストランがあります。現在、かぶらなど旬の冬野菜を発送しています。

オーガニック野菜への関心や理解があって、昨年からお付き合いさせていただいているスイスシャレー(神戸市中央区北野3-2-4)というレストランです。

どのようなレストランなのか知りたい。そう思い昨年ご挨拶も兼ねて訪問、オーナーのリリ・マッキンソンさん(りりさん)やレストランシェフ、スタッフの方々とお会いし楽しいひとときを過ごすことができた。

 

 スイスシャレーは風見鶏の館など異人街として知られている神戸の北野に店を構えて40年になる老舗で、その伝統の味を提供するのがスイスシャレーだ。りりさんの母親が始めてからりりさんは引き継いでずっとこの場所で変わらずその歴史を刻んでいる。

 スイス料理というと思い浮かべるのがチーズフォンデュ。今回生まれて初めていただき、その美味しさにびっくりした。野菜などをチーズに付けて食べるスタイルは、テーブルを囲む人を和やかな雰囲気にさせる。アツアツのチーズにどっぷりと野菜を浸けてトロトロのチーズにコーティングされた野菜を口に運ぶと、「う~、うまい」と笑顔もこぼれる。チーズもこだわった素材でまさにご当地伝統の味を堪能できる。

このほかに、エスカルゴも初体験。カタツムリの料理?とイメージ的に二の足を踏みそうだが、実際は日本でよく見るカタツムリとはまったく違い、それは大きくてアワビのような食感、味付けも素直によかった。店内もヨーロッパ調の温かい雰囲気を醸し出すような素朴で親しみのあるレストランだった。ここで畑の野菜を使ってもらえるなんて夢のようだ。

 オーナーのりりさんは育ちは神戸。気さくで関西なまりの姉御肌のような方だが、上海でアクセサリーショップなども経営する女性実業家だ。昨年、住まいの上海から新たに事業展開するために御主人ロンさんとともに神戸に戻ってきたそうだ。現在パワーストーンなどを扱うお店を展開している。ヒーリングに詳しく、ヒーラーとして有名な方だ。熱海でもヒーリング講話を開催したこともあるという。

 

 オーガニックは21世紀の農業を席巻する!。20年来、私はずっとそう思って会社勤めをしながら野菜を育ててきた。そういった理解や関心のある人たちに丹那の自然野菜を使ってもらえたらこんなに幸せなことはないです。

 神戸にはまた行きたいな。そう思わせる味のあるアツアツの笑顔のレストランが迎えてくれます。

レストラン スイスシャレー

神戸市中央区北野3-2-4 ℡:078-221-4343



観光地異人街にある伝統のレストラン。気軽に楽しめるレストランで、なじみ客が多い。


りりさんとご主人のロンさん

おいしかった、これがエスカルゴだ


緑のどんぶり


緑のどんぶり

このブログを読んだ方に、「どうして緑のどんぶりというタイトルなのですか?」と訊かれます。

緑のどんぶりというのは、畑の場所(静岡県田方郡函南町丹那)が盆地にちなんでいます。すり鉢状で上から見ると田んぼや畑の緑いっぱいのどんぶりのようだからです。

コンセプトは「ハッキリ」です。

ここの野菜の栽培法はシンプルだけど、誰がどう栽培したかという、こんなシンプルな原理、市場では実はハッキリしているようでしていない。

最近は生産者の顔写真が野菜袋に記されているものもありますが、直接生産者と接することができることが本当の安心だと思うのです。

畑に来てもらえればいちばんよい。

畑の見学・援農いつでもOKです。いつ来てもいつでもオープン、開けっ放し。

援農(えんのう)された方には野菜の現物支給をします。また、野菜の宅配を希望される方も受け付け中(内容等相談)。
農場の名前は地味辺(じみへん)。

管理者=Tよしざわ (静岡県田方郡函南町平井1733-859南箱根ダイヤランド43-80)

電話=050-1452-8131、携帯=090-2680-9488
メール=
noize-1966.hiropolissy@docomo.ne.jp

2011年1月23日日曜日

サラダセット

サラダセット

ある一つの葉物野菜の出が悪いときや早く掃けないと野菜が使えなくなる時などに、野菜をセット販売しています。青空販売させていただいているサンヴェールの方たちはセットを好む方も多いです。

現在は、壬生菜、ルッコラ、ルッコラセルバチコ、ビートブラッド、セルフィーユ(チャービル)、水菜、スワンかぶ、などをミックスしています。

ベビーリーフはやわらかくておいしいと評判です。

現在サラダセットのレギュラーメンバー。上左からビートブラッド、セルフィーユ、中段左セルバチコ、壬生菜、下段ルッコラの面々。

壬生菜。
京野菜。新撰組の屯所で有名な京都市壬生の地場野菜。水菜と同様に利用。40~50センチほどの大株に育ちますが、サラダにはベビーリーフ。
ルッコラ。

英名でロケット。ごま風味のピリッとした風味でサラダ用に若どりしました。大きくすると辛みが強くなり、炒め物でも利用できます。また、時期によっても風味の強弱があり、初冬の時期が一番やさしい味のような気がします。


セルフィーユは仏語。英名チャービル。
上品な甘い香りと風味を醸すハーブ。サラダやオムレツに加えたりスープ、お菓子の飾りなどに利用します。

ルッコラセルバチコ。

別名ワイルドルッコラとも言われ、原種に近い品種です。風味はルッコラより濃く、名の通りワイルドな味わいです。種が粉のように細かいので、株を大きく育ててその都度葉を摘み取っています。


ビートブラッド。

葉や茎が鮮やかな赤色でサラダに色合いを持たせます。ベビーリーフ用に箱蒔きで栽培しています。赤色強く、摘む指が赤くなります。



2011年1月22日土曜日

紅芯ダイコンとクルミのサラダ

材料 

紅芯ダイコン 250g             

クルミ(刻む) 大2 

Aオリーブオイル大3 

  酢     大1 

  はちみつ   小1 

  塩     小2/3

  コショウ   少々 

1 紅芯ダイコンは皮をむき、千切りにする

2 1とAであえて器に盛り付けて、クルミを散らす。

ダイコンと梅、じゃこの混ぜご飯

材料 4人分

n ダイコン (中心より上の部分)7センチ 

n 米2合

n ちりめんじゃこ 1/2カップ

n 昆布3センチ×3センチ

n 梅干し 適量

n 白いりごま 大3

n ゴマ油  大1

1 ダイコンは半分の長さに切って皮をむく。繊維に沿って約3㌢角に切る。ボウルに入れ、塩(小2/3)を加えて塩もみして水気をギュッと切る

2 米は普通に水加減をして昆布を乗せて炊く。

3 フライパンにゴマ油(大1)を入れて熱しダイコンを炒める。水分が抜けてパラッとしたら火をとめる。

4 炊きあがったご飯に3とちりめんじゃこ、白いりごまを混ぜる。ちぎった梅干しを散らして器に盛る。ダイコンの葉を刻んで塩もみしたものをのせてもおいしい。

ダイコン


ダイコンが旬


立春(2月4日)が迫っているので、旨さのピークは過ぎたか。立春を過ぎると花を咲かせ種子を作る準備を始めるので味は次第に落ちてくる。一般的に大寒(1月20日)あたりまでが一番旨い。寒さに当たると甘みが増すからだ。


冬野菜は寒波の防御として糖分という鎧を纏い寒さに耐える。つまり、糖分をためることで凍らないようにするためです。そうして越冬して春をむかえる。


 味一番という短太系の大根を作っています。これ、種子の入った袋の栽培暦に春蒔きも記されていたので、昨年春に蒔いた。結果、まずかった。おまけに綺麗な白肌といかず汚い姿。これは、かぶでもニンジンでもそうだった。春蒔き専用の種子じゃないと、うまくいかないという教訓になった。旬のものは、旬の時期に食べるから美味しいのだ。生命が一番輝く季節、大根はやっぱり、冬です。その一番輝いている時期に食べる味一番。

特にここでは品種にこだわって栽培しています。スーパーでならんでいる野菜には品種は表示されてはいません。大根はみな大根です(聖護院などは種類)。それじゃあ面白くないし、どの品種が食べる人(自分)に向いているかもわかりません。同じ大根でも味に違いがあります。いろいろ試して、短太系(源助大根や聖護院)の大根が栽培しやすくて、それでいて大根らしい甘みが感じられるので、この系統を作っています。この系統の中でも、味一番がうまい―と思います。

短太系大根のほかにここでは紅芯大根、赤大根もあります。中国野菜の紅芯大根は、ソフトボール大の中心部が紅色鮮やかな大根。特にサラダ、漬物にその特色を発揮する大根です。


旬の採れたてを味わう 大根の刺身



刺身。野菜の刺身を贅沢に食べる。

とりわけ大根がうまい。6~7センチの輪切にして皮をむき、繊維方向に薄切りの短冊にします。ポン酢か塩、またはオリーブオイルをかけると格別旨い!

この畑の野菜は完全無農薬だから皮ごとでもいける。

ぜひ味わってみてください。

このほかに、大根料理のレシピを紹介します。


2011年1月16日日曜日

ヤーコン

 ヤーコン。ここ数年、メディアで取り上げられ世間に知られるようになった。

その名を知っていてもどんなモノか得体が知れなかったそのヤーコン。名前がユニークで、聞くとベーコンの親戚のような名もその実態はサツマイモに似た野菜?さにあらず、梨のような食感でほんのりした甘みがある

 その出会いは、宅配で畑の野菜を届けているダイヤランドの柳川さんから種いもを数個もらったのが5月ごろだったか。全然興味がなくって、畑の隅に「とりあえず植えとけ」って感じで植えっぱなしなっていたのだった。

 盛夏頃にはすくすくと成長したヤーコンは人の背丈ほどに巨大化していた。こんなに大きくなるもんだと感心していた夏は近年まれにみる超猛暑だ。畑には水道がないので一切水やりなし。しかし、へっちゃらだだった。ヤーコンは、水なし、肥料なし、関心なしの人間にお構いなく、隅っこで「負けるものか」と逞しく成長していたのだ。

 そもそもあまり興味がなかったので、昨年秋、まさにタイムリーに丹那で開催された全国ヤーコンサミットにも行かなかった。時々気がついたら、「おお、生きていたのか」という付き合いだったヤーコンも、秋が過ぎ初冬になってから、強烈な霜に抱きしめられて立ち枯れているとき、久しぶりにその存在に気がついたのだった。

「いやぁ~わすれてたよー」。

なにひとつモノ申さず(当たり前だが)の枯れ果てたヤーコン、ほんとの食材は地下にあることを思い出し、掘り上げてみると、サツマイモに似たものがたくさん付いていた。

これがヤーコンか。

きんぴらやてんぷらがポピュラーな食べ方と聞く。

早速いえに持ち帰ってきんぴらにしてみると、「なんだこれ、うまいじゃないか」。

ヤーコンって、意外にイケルかも。

もっと、気を使って肥料やったりすれば、これより多く採れたのかもしれない。

そう、そして、あの秋に偶然開かれた、もうこの丹那の地で二度と開催しないだろう、「全国ヤーコンサミットにも行けばよかった」と、いまさら後悔するのだった。

行っていたら、食べ方や育て方や耳より情報等々、たくさんのことを知り得たかもしれないのに。調べれば、ヘルシーで優秀な野菜という。市場でも高く取引されていることも知ると、なおさらだ。

でも完全に放置プレイ状態でも、ああやって収穫できるのだから(手間もかからず、しかも動物ハクビシンやイノシシにも何故かやられなかった)(たまたま無被害だったのか)、こんなに優秀な野菜はない。今年も育ててみたい野菜だ。



ひと株で平均的にどれくらい採れるものかわからないが、全体的に細身なものが多いので肥料をやればもうちょっと太めのヤーコンが採れたのかもしれない。

色と言い、形状といい、 ビジュアル的にはサツマイモだ。手触りもしかり。

根塊というのか、びっしりと生えていたが、茎からも伸ばして生えていた。

少々な寒さもへっちゃらだったが 、強烈な霜に遭遇して、ついに立ち枯れた。


背丈ほどに 巨大化。葉も大きいが、ティーなどにも利用できるという。放っておいても育つ。完全放任主義でできる。



2011年1月11日火曜日

キャベツ

 10月上旬にポット蒔きしたキャベツ(富士早生 サカタ)。定植したのが12月上旬。ちょっと遅かった。黒マルチをした。スペースがあったのでチコリを定植した。厳冬期だが少しずつ成長している。寒い時期に定植したので虫の害はない。キャベツに害虫といえば、日経新聞に興味深い記事があった。

キャベツ、大げさに反応

― 害虫に少しでも食べられると…

天敵呼ぶ物質大量放出 ― 

 京都大学の高林純示教授らの研究チームは18日、キャベツが特定の害虫に少しでも食べられると、その天敵を呼び寄せる化学物質を大量に出すことを見つけたと発表した。一般には被害が大きいほど放出量が増すと思われているが、実際は被害の大小にかかわらず大げさにまき散らすことがわかった。農作物の害虫駆除などに応用できる。

 一般に植物は害虫に食べられるとその天敵となるハチなどを呼び寄せる化学物質を放出する。害虫の出す唾液などの影響で害虫の種類によって物質は変わる。これまではキャベツも被害が大きいほど放出量が増えると思われていた。

 研究チームは蛾の一種「コナガ」の幼虫に食べられたキャベツが幼虫の天敵となる「コナガマユバチ」を呼ぶ場合を調べた。葉からでる4種類の化学物質が蜂を誘っており、食べられた面積の大小によらず一定量が放出されていた。多くの天敵を確実に呼び寄せるためとみられる。

 高林教授は「オオカミ少年のように大げさにシグナルを出して天敵を呼ぶ例は植物ではこれまでなかった。これにだまされないようにハチがどのように対応するのかも調べたい」と話す。

 害虫の天敵を自在に誘導できれば農業の効率化に役立つ。今後は実験で害虫駆除への有効性なども調べる。

―2010年(平成22年)8月18日  日本経済新聞 

自然のメカニズムはまだ奥深い。キャベツも自分で身を守る方法を知っているのだ。と、言っても天敵も手に負えないほど虫にヤラレテしまうこともあるけど。



チコリとの混植。コンパニオンではなく、ただスペースがあるので。
遅植えすると虫にやられない。まず、蝶や蛾に卵を産み付けられないようにすること。フセン布を掛けたりしても防げる。春には被せないと。

2011年1月10日月曜日

 連日強い寒波に見舞われ、畑は霜で真っ白。露地の野菜も凍りついている。土も凍っているしまつ。寒さにつよいリーフレタスも凍ると葉が傷む。それでも赤はやや抵抗力がある。しかしグリーンの方は黒くなってしまう。ビニールトンネルをすれば何の問題もなかったはずなのに。ほかの葉ものには壬生菜がある。壬生菜は京野菜だけあって寒さに特に強い。あとはホウレンソウも寒さにあたったほうが味はよくなる。
 9時ごろまで凍りはとけない。7時の温度計は―5℃をさしていた。丹那盆地は寒い。

霜で凍りついたリーフレタス。連日この寒さにさらされると、赤といえども葉が極端に痛み黒ずんでくる。霜がとければ回復するが、凍傷のようになって葉が回復しないものもでる。

 
赤大根(手前)も 霜で葉が萎れてしまうが、氷がとけると元気に回復する。奥はスティックセニョールと芽キャベツ。トンネルはルッコラ。

今年もスタート

 1月3日、毎年恒例の箱根神社へ初詣。この正月は晴天に恵まれ空気が澄んで素晴らしい富士山がのぞめた。大観山からは芦ノ湖と富士山、左には南アルプス、さらに左に駿河湾と絶景ポイントだ。見通しがよい。今年はこんな晴れやかな見通しのよい年にしたいね。


昨年の暮れから伊豆山にあるマンション「サンヴェール」で野菜の青空販売を始めた。私は週に3日ほど伊豆山の谷口ファームに農作業の手伝いに行っていますが、そこで知り合った松田さんの働きかけで行えたものです。その松田さんは同ファームをリタイヤ後、家庭菜園でできた野菜を「サンヴェール」の方々に向けて販売し始めたが、ひとりではニーズに応えられないとのことで私にも声がかかった、という経緯です。


私の畑にはちょうどスワン(かぶ)や大根などがたくさんあり、品質の良い立春までに売りさばきたかったので助かりました。大根やかぶは、およそ立春(2月4日)を過ぎると種子を作る準備をするため、花を咲かせようとするトウ立ちという現象が起きます。すると、食する部分の栄養分、水分を上部に吸い上げるため質が悪くなる。それまでになんとかさばきたかった。いや、それよりも正直新しい市場を開拓してくれたということが大きいのでとても感謝しています。縁、そして感謝の気持ち、これが大切なことと改めて感じます。青空販売までたどり着くには、この縁(松田さんとの出会い)がなければできなかったわけですから。


誰でも数えきれないほどの選択肢の中から、たったひとつの選択肢の道を生き(行き)そしてその道すがら人と出会うたび、何事にも触れるたび(例えばそのリンゴ食べる食べないとか)、様々な選択肢が出現し選択して、それを数えきれないほど繰り返しながら生きている。そのたった一つ選んだ道を辿ったところに、いま立っているわけです。振り返って、その選択肢の数は何千、何万通りになっている、生い茂る枝葉のように。つまり、あのときもうひとつの別の選択をしていたら、確実に現在の位置にはいないはずです。だからこそ、ひとつひとつの出会いには意味がある。そう思います。その出会いを活かすも消すも、自分次第というわけです。そしてこうしていま、生きていられる、サンヴェールでの青空販売ができて、稼ぐことができ生活をするということは、私は出会った人たちに生かさせているわけです。そう思えてしかたありません。


自分もまた人と出会うことで、その人それぞれがが持つ時間と接触する。それが一刻一刻様々な出会いや事象の遭遇につながりその人の未来が変化していく現実、それが互いに運命を司っているその中で現在がある。新聞の社会面の記事を読むと、思いもしない事故(交通事故や事件)で死亡した人のことが少なくないことを見れば常にみなギリギリで生きているということがわかる。だからといって硬直して毎日を送るわけではないけど、でもこうしたことを思えば出会いと今日を大切に生きなければと思います。そこには感謝する気持ちを持つことで人として成長できると思うのです。出会った人、野菜たち、昆虫、動物に感謝し、前向きに現実を受け入れ毎日を大切に生きたい、それを忘れないよう今年も日々を過ごしたいと思います。