ジャガイモの原産地は南米アンデスと言われている。原産地は標高高い冷涼な場所で乾燥した土地柄。ゆえに雨には弱い。トマトも同じ原産地でやはり多雨を好まない。トマトとジャガイモは同じナス科でその中でもかなり近しい。
「野菜だより秋号」(学研)によれば、16世紀スペイン人のメキシコ征服の後にヨーロッパに伝わり、オランダ船によって日本に伝わったのが17世紀初め。この船がインドネシアのジャガタラ港から来たことからジャガイモと呼ばれるようになったという。18世紀には入植者とともにアメリカに持ち込まれ栽培が広まり、日本で栽培が定着するのは19世紀(明治)にアメリカから導入されて以降。
そういう性質のジャガイモ。高温多湿に滅法弱く、日本の梅雨は大敵だ。一度、疫病にかかったことがある。それは、トマトから始まった。入梅直後、葉が黒ずみ枯れ始めたトマト。その隣に植えていたジャガイモにまでそれが波及した。トマトの枯れ死に心痛めていた直後、トマト同様の黒色斑点が1株のジャガイモに伝染。入梅の雨で一気に広がり、たった2日で全体に及びジャガイモはトマトとともに全滅した。恐ろしい。ナス科同士で同じエリアに植えていたジャガイモとトマト。ナス科のピーマンやナスとともにナス科野菜でくくって植えていたが、疫病に罹ったのはジャガイモとトマトのみだった。ピーマンもナスも何ら病気にならなかった。いかにジャガイモとトマトが近親であるかがわかる。そして、ジャガイモの花とトマトの花は色は違えど相似形なこと、ジャガイモの花のあとに稀にトマトのような実をつけたこともあったこと。それはミニトマトかと思えるほどで、赤くはならなかったが正にミニトマトそれだった。トマトはジャガイモから派生したのではないかと思える現象。このことは、昨年、NHKラジオ「夏休み子供電話相談」でテレビでも活躍中の藤田先生が小学生から同じ質問を受けていたことで正体が判明したのだった。
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